青い海、白い砂浜、色彩豊かな魚、心地よい潮風。

今となっては少なくなってきましたが、潮だまり(タイドプール)にもたくさんの生き物がいます。

そこは遊び場としてのパラダイスでもありました。

身近にいる海のいきものについて、子供から研究者まで楽しめるように紹介をしていきたいと思います。


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2008年11月14日

D型アミノ酸を含んだ血糖上昇ホルモンの謎

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フランスの研究グループは、X器官にある血糖上昇ホルモンの産生細胞の解析を行いました。

血糖上昇ホルモンを作っている細胞は30個ありました。その内、8個の細胞だけがD型アミノ酸を含んだホルモンを作っていたのです。

ザリガニの仲間だけが、D型アミノ酸を含んだ血糖上昇ホルモンを作っているのも謎ですか、全部の産生細胞が作っているわけではないのも、もっと謎なのです。

クリックすると大きい画像に見ることができます

PIC085.jpg
なぜ、積極的にD型アミノ酸を使っているのか? また、ザリガニ類はどのような進化を目指しているのでしょうか? ホント不思議です。

ザリガニの他にも、カエルの皮膚にあるオピオイドペプチド、カタツムリの神経ペプチド、クモ毒などにもD型アミノ酸を含んだ分子が存在しています。

この話とは別に、ヒトの水晶体中では加齢に伴って、水晶体タンパク質の中にあるAsp残基のD型化が進行してしまうことが解ってきました。白内障の一原因です。老化という自然の過程でも、アミノ酸の異性化が病気を引き起こしていたのです。



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posted by イソガニ博士 at 09:51| Comment(0) | TrackBack(0) | ホルモン研究(無脊椎) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年11月12日

甲殻類血糖上昇ホルモンの構造解析について

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アメリカザリガニのサイナス腺から抽出した血糖上昇ホルモンを精製すると、逆相カラムを使った高速液体クロマトグラフィーでは2つのピークに分かれます。
PIC084.jpg


それぞれを酵素消化して、断片化したものを高速液体クロマトグラフィーで分画した結果を比べると(ペプチドマップの比較と呼びます)、1つの断片が違った時間に溶出していました。

ところが、それらのアミノ酸配列を調べると、全く同じ結果(アミノ酸配列)だったのです。

なぜ、このような結果が起こったのでしょうか??

一般的な常識として、同じアミノ酸配列ならば、同じ時間に溶出されてくることになっています。しかし、違った時間に溶出してきているということは、常識ではないことが起こっていると考えた方がよいかもしれません。

アミノ酸は立体的に、L型とその鏡像体であるD型があります。通常、生物はL型のアミノ酸を使ってタンパク質やペプチドを作っています。

同じアミノ酸配列でも立体構造に違いがあると、高速液体クロマトグラフィーでの結果も納得いくのではないかと予想しました。

はたして、どうなったのでしょうか?

予想はピッタリ当たって、アメリカザリガニの血糖上昇ホルモンの場合、高速液体クロマトグラフィーで精製した時に遅れて溶出してきたホルモン分子にアミノ末端から3番目にあるフェニールアラニンというアミノ酸だけがD型アミノ酸として検出されました。

最近の研究結果では、時として常識を打ち破るように、D型アミノ酸が生物の体の中から検出される例がいくつも証明されてきています。

生物活性試験では、ホルモン濃度に依存した血糖値の上昇量で差はなかったのですが、D型アミノ酸を含んでいるホルモンの方が効果の持続性をもっていました。

不思議なことに、ザリガニの仲間ではD型アミノ酸を含んだ血糖上昇ホルモンが見いだされていますが、エビやカニ、ヤドカリといった他の甲殻類からはD型アミノ酸を含んだ血糖上昇ホルモンは見つかっていないのです。



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posted by イソガニ博士 at 08:27| Comment(2) | TrackBack(0) | ホルモン研究(無脊椎) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年11月10日

眼柄ホルモンの構造について

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長年、甲殻類血糖上昇ホルモンや脱皮抑制ホルモンの構造は解明されませんでした。

その理由は、これらホルモンの分子量が8000〜9000と比較的大きかったことです。

眼柄ホルモンの中で最初に構造が決まったのは、1972年にホッコクアカエビ(Pandalus borealis)の眼柄から単離された赤色色素凝集ホルモンでした。8個のアミノ酸から構成されているペプチドです。

pGlu-Leu-Asn-Phe-Ser-Pro-Gly-Trp-amide

また、ホッコクアカエビからは1976年に18個のアミノ酸から成る色素拡散ホルモンの構造が決まりました。

Asn-Ser-Gly-Met-Ile-Asn-Ser-Ile-Leu-Gly-Ile-Pro-Arg-Val-Met-Thr-Glu-Ala-amide

分子量の大きいホルモンの構造が決まったのは、1989 年になってからでミドリガニ(Carcinus maenas) から単離された甲殻類血糖上昇ホルモンです。このホルモンは72 残基からなり3 個のジスルフィド結合を含んでいました。

その後、脱皮抑制ホルモン、卵黄形成抑制ホルモン、大顎器官抑制ホルモンのアミノ酸配列が次々と解明されてきました。これら4 種類のホルモンは互いによく似た構造をしているので最初に構造決定されたホルモンの名前にちなんで「血糖上昇ホルモンファミリー」と呼ばれています。



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posted by イソガニ博士 at 08:22| Comment(1) | TrackBack(0) | ホルモン研究(無脊椎) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年11月07日

甲殻類の神経内分泌研究の歴史

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甲殻類には眼の所に、X器官・サイナス腺と呼ばれる神経内分泌器官があります。サイナス腺とは、X器官で作られたホルモンが貯蔵されている組織です。
PIC083.jpg


その研究の歴史を紐解くと1905年まで遡ります。

Zelenyがは眼柄の再生能を調べる目的でスナガニの一種(Uca pugilator)の眼柄を切除したら、眼柄が再生されることはありませんでしたが、眼柄を切ったカニは脱皮の周期が短かくなること発見しました。このことから眼柄には脱皮を抑制するホルモンが存在していると提唱されました。

1944年にAbramowitsらは、眼柄中に血糖値を上昇させる因子があることを発表しました。

さらに、1946年にPanouseは眼柄には卵母細胞の成長を抑制する因子の存在について報告しています。

1996年になると、Wainwrightらは大顎器官におけるファルネセン酸メチルの合成を抑制する因子をイチョウガニの一種(Cancer pagurus)から見つけました。

このように甲殻類の眼柄には、甲殻類血糖上昇ホルモン(CHH)、脱皮抑制ホルモン(MIH)、卵黄形成抑制ホルモン(VIH)、大顎器官抑制ホルモン(MOIH)の4種類のホルモンがあります。これらの名称はホルモン分子を単離同定する際に用いた生物活性試験に由来しているのです。



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posted by イソガニ博士 at 08:32| Comment(0) | TrackBack(0) | ホルモン研究(無脊椎) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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