青い海、白い砂浜、色彩豊かな魚、心地よい潮風。

今となっては少なくなってきましたが、潮だまり(タイドプール)にもたくさんの生き物がいます。

そこは遊び場としてのパラダイスでもありました。

身近にいる海のいきものについて、子供から研究者まで楽しめるように紹介をしていきたいと思います。


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2009年09月29日

磯遊び日記

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水中写真の撮れるデジカメは、磯遊びの「友」として重宝しています。
これまで水中で見たことは、自分の「記憶」の中にあったですが、今では、簡単に画像として残せるのです。

見慣れた生き物でも、写真に撮ってみると、また違った雰囲気が味わえて、けっこうおもしろいものでもありました。


荒涼とした岩山を歩いているように見えるヤドカリ。相変わらず、目つきが悪く、怒っているようです。

PIC158.jpg



かくれんぼしているつもり!? でも、み〜つけた。

PIC159.jpg



井戸端会議中、今日は何のうわさ話でもちきりなのか。

PIC160.jpg


もう少し若かりし頃、こんなデジカメがあったら、釣ったヒラスズキや手づかみしたイセエビなどなど、思い出にあることが写真として残せたのに、と思うのは贅沢なことでしょうか?



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2009年09月28日

久しぶりの再会

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シルバーウィークが終わり、最初の週末に、和歌山の御坊方面へフィッシングに出かけました。

予想通り渋滞はなく、快適なドライブとなりました。

ねらいは、アジとアオリイカ。

日が暮れてから、オキアミをエサに、アジは何とか釣れだしてきました。

しばらくすると、アジとは違う魚が揚がりました。
PIC156.jpg


これは、ムツの幼魚

なんと、20年以上もご無沙汰になっていた魚です。

私が子供の頃、南房総での話ですが、「ムツの仔」は冬になるとよく釣りに行った魚種でした。エサは、潮だまりにいる「アゴハゼ」を捕まえてきて、生き餌の仕掛けです。

大阪に来てからは「ムツ釣り」はやらなかったので、本当に久しぶりに逢えたという感じです。

調理法は昔と同様に「煮付け」で、なつかしい味に舌鼓となりました。

それと、近くで釣りをしていた「おっちゃん」に聞いてみると、ムツの仔はそんな珍しい魚でなく、よく釣れるとのこと。

そうだったのか・・・
また、釣りに行こうか車(セダン)



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2009年09月24日

何か、おかしい??

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「奇妙なゼリー状の魚発見 新種か」というニュースがありました。
http://www.nationalgeographic.co.jp/news/news_article.php?file_id=21818256

この手の話には興味津々です。

でも、記事の内容と写真がどうもマッチしていないような感じに思えたのです。
写真の魚はどう見ても、2mもないように思えてなりません。それに、稚魚みたいな気がしていたのです。

真相を確かめようと

http://www.nationalgeographic.com/

へ行って、問題のビデオ記事を見ると、↓の写真がブラジル沖で見つかった個体でした。
PIC154.jpg


日本語のニュースに乗っていた写真は、このビデオを鑑定したスミソニアン研究所国立自然史博物館の魚類学者デイブ・ジョンソン氏のコメント時に挿入された写真で、ブラジル沖で捕獲したものではなかったのです。
PIC155.jpg


もやもやした疑問が解けて、これで、スッキリexclamation×2




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渋滞 x 渋滞

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シルバーウイークの前半は潮回りもよく、和歌山へ磯遊び&フィッシングを予定していましたが、思わぬ障害が発生しました。

それは期間中、「連日の高速道路の渋滞」 です。

連休中の中日くらいなら大丈夫だろう、と思っていたのが大きな間違いでした。

出発前に交通情報を見ると、渋滞を示す「赤線」が長く伸びています。
これでは、いつ着くか分からないし、潮も上がってきてしまいます。
それに加えて、帰りの交通渋滞も付き合わなければなりません。

そこまでして無理に行かなくても、ということで、今回の海行きは「キャンセル」

海洋生物とのお付き合いは、また日を改めてということになりました。



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2009年09月17日

魚類の生殖腺刺激ホルモンの真相

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新しく見つかったサケの生殖腺刺激ホルモン(GTH)によって、すべての脊椎動物について、脳下垂体では2種類の生殖腺刺激ホルモンが作られていることが判明しました。

サケのホルモンでは、分子量5万を分子をGTH-I、分子量3万6千の分子をGTH-IIと名付けられました。

サブユニット構造は、哺乳類のGTHにならって、α鎖とβ鎖の2つから構成されていました。

サケGTHのα鎖のアミノ酸配列は、ウシGTHのα鎖と65%の相同性がありました。
サケGTHのβ鎖とウシGTHのβ鎖との比較では、GTH-Iが濾胞刺激ホルモンに、GTH-IIが黄体形成ホルモンとよく似た構造をしていたのです。

従来、魚類のGTHと呼ばれていた分子はGTH-IIの方で、この黄体形成ホルモン様分子だけで生殖調節機能を担うと説明されていました。

GTH-IとGTH-IIは、どちらも脳下垂体の前葉という部分で作られますが、同じ細胞ではなく、それぞれ固有の細胞で合成し、分泌されていました。

また、GTH-IとGTH-IIは卵巣と精巣に作用して、性ステロイドホルモンの合成を促進していることも解りました。

血中レベルを測定した結果からは、GTH-Iは性成熟の初期に分泌され、GTH-IIは最終成熟期に分泌されることを明らかになりました。この分泌機構は、哺乳類のGTHである濾胞刺激ホルモンと黄体形成ホルモンと同じということになります。

このようにして、魚類における生殖腺刺激ホルモンの二元性が確立されたのです。



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2009年09月15日

学説におけるオセロゲーム

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魚類の生殖生理学では、生殖に係わっている生殖腺刺激ホルモンは1種類であるとされていました。そこに、生殖腺刺激ホルモンの二元性を唱えることは、大変な研究になりました。

それまで、教科書に書かれていたことが、すべてではないにしろ、大部分がひっくり返ることになるのですから、それはまるでオセロゲームのようです。

オセロゲームで勝つには、角を取ることが重要になっています。

内分泌研究では、ホルモンの物性、生物活性、産生細胞の局在、ホルモンの動態変化が「角」に相当し、これらを押さえることが重要です。

一般に研究では、新しい成果が出るたびに、その結果を論文にまとめ上げて発表していきますが、魚類の生殖腺刺激ホルモンにも2種類あるという研究成果では、結果を小出しにしないで、いくつかの論文に仕上げて、一気に公表されたのです。

このようにして、「魚類生殖腺刺激ホルモンの二元性」が誕生したのでした。1988年の出来事です。

しかしながら、ゲームと違って、このような研究では「勝ち負け」という概念はないと思うのです。つまり、新しい学説が提唱されても、それまでの定説を唱えていた専門家が「敗者」ということにはなりません。

大切なことは間違っていた解釈を訂正して、「真実」を明らかにしていくことなのです。

たとえ時間が掛かろうとも・・・



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2009年09月10日

見えてきた晴れ間

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魚類にも2種類の生殖腺刺激ホルモンがあるのか、それとも定説通りに1種類なのか、これは大きな問題です。

抽出とクロマトグラフィーを何度か行うと、2種類の生殖腺刺激ホルモン様物質があるような実験が出てきました。

ところが、この再現性がなかなかうまくいきません。
あきらめずに、しつこく精製を試行錯誤していきます。

サケの脳下垂体を35%エタノールを含む10%酢酸アンモニウム(pH6.1)で抽出し、これに3倍量の冷エタノールを加えると、糖タンパク質が沈殿してきます。この沈殿物が精製するための出発材料となりました。

次に、陰イオン交換クロマトグラフィー、陽イオン交換クロマトグラフィー、ゲル濾過というクロマトグラフィーの手順で精製を行うことで、サブユニット構造を持つ2種類の糖タンパク質が再現性よく単離できたのです。

1つは分子量5万でアミノ末端分析ではチロシンとグリシンが検出されました。もう1つは分子量3万6千で、アミノ末端はチロシンとセリンだったのです。

化学的分析では、魚にも2種類の生殖腺刺激ホルモンがあるような結果になりましたが、この糖タンパク質が「ホルモン」として認めてもらうには、やはり「生物活性」があるかどうかに委ねられるのでした。

さらに、それぞれのアミノ酸配列はどのようになっているのか、その解析も急がれました。



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2009年09月07日

困難な道のり

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生殖腺刺激ホルモンは物質的には、「糖タンパク質」と呼ばれています。
さらに、2種類の糖タンパク質がα鎖とβ鎖のサブユニット構造を形成して、1つのホルモンとして働いているのです。つまり、「ホルモンとして一人前に働くには2つの糖タンパク質の集合体でなければならない」ということです。
そして、哺乳類などの2種類の生殖腺刺激ホルモンは、α鎖のアミノ酸配列が同じで、β鎖のアミノ酸配列が異なっているのでした。

また、「生殖腺刺激ホルモン」という名前のように、動物から組織を採取する時期も重要になっています。

このような特殊な事情が、ホルモンの精製をより困難なものにしていました。

魚の場合、活性試験を指標にホルモンを精製すると、どうしても1種類の生殖腺刺激ホルモンしか見いだせなかったのです。

しかし、分子進化的に考えると、「魚にも2種類の生殖腺刺激ホルモンがあるのでは?」という考えも予測できたのです。

そのことを証明するために、「生殖腺刺激ホルモンはα鎖とβ鎖のサブユニット構造を形成している」ことに着目して、サケの脳下垂体の抽出物をクロマトグラフィーで分画したフラクションに対して、電気泳動を用いてサブユニット構造を持つ糖タンパク質の検出を試みたのです。

ところが、糖タンパク質はアミノ酸配列は1つでも、糖鎖の部分が一様でないために、クロマトグラフィー上では1つのピークとしてまとまりません。

いろいろな試行錯誤を重ねても、サブユニット構造をもつ糖タンパク質は、1種類しか見つからなかったのです。



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2009年09月03日

大きな疑問

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魚の脳下垂体ホルモンの話を再開します。

私が学生の時、水産生理学の授業で、「魚の生殖腺刺激ホルモンは1種類である」と教わりました。

哺乳類を題材とした動物生理学では、「生殖腺刺激ホルモンは、脳下垂体前葉で合成・分泌されるホルモンで、黄体形成ホルモン(Luteinizing hormone, LH)と濾胞刺激ホルモン(Follicle stimulating hormone, FSH)の2種類ある」と教わるものです。

これがサカナの話になると、1種類のホルモンで生殖が行われている、というのが定説になっていたからです。

世界中のすべての学者が、そう信じ込んでいました。

ところが、サケの脳下垂体からホルモンを単離していくと、サカナといえども、哺乳類が持っているホルモンと同じ種類のホルモンが、きちんと存在していたのです。

そこで、「生殖腺刺激ホルモンも2種類あるのではないだろうか?」1つの大きな疑問が湧いてくるのでした。

ところが、魚の脳下垂体から生殖腺刺激ホルモンの単離を試みた文献を調べると、すべて1種類のホルモンの精製で完結しているのです。

このような時代に、魚類からもう1つの生殖腺刺激ホルモンを探索しようとする研究は、どう思われたのだろうか?

おそらく、「アホ」か「変人」としか映らなかったかもしれません。




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